審議会制度・市場審議中系統用蓄電池蓄電池(需要側)電力市場系統・接続再エネ全般

第4回 分散型エネルギー推進戦略WG:系統用蓄電池は需給調整市場中心の運用で、卸の値差収益は小さいと確認

経済産業省 / 分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループ / 公表 2026/10/13(火)

何が議論され、何が決まったか

公表資料から自動要約

2026年10月13日の第4回WGで、資源エネルギー庁は資料1により導入済みの分散型エネルギーリソースの運用実態を示した。導入支援事業の採択案件の2025年度運用データでは、卸電力市場を通じた取引は最適運用でも値差収益が需給調整市場の収益より小さく限定的であると確認された。系統用蓄電池は補助金と長期脱炭素電源オークションの案件で合わせて約510万kW、接続契約約4,100万kW、接続検討約2億1,100万kWが見込まれる一方、需給調整市場は2035年度時点で他電源を含め蓄電池577万kWで充足するとの見通しが示されており、事務局はほぼ需給調整市場のみで運用する従来のビジネスモデルに影響を及ぼす可能性があると記載した。決定事項はなく、出力制御の抑制に資する取組、長期エネルギー貯蔵技術への実証支援、サイバーセキュリティ対応の検討を今後の方向性として提示した。

要点

  • 卸電力市場で1日4時間(8コマ)充放電して5〜10円/kWhの値差を得た場合の想定収入は、需給調整市場で1〜2円/ΔkW・30分で1日約20回約定した場合と概ね同水準との試算(運用に伴う諸費用は未考慮)。
  • 1日の値差の発生頻度は全エリアで5〜10円/kWhの帯が最多(約29〜38%)、次いで10〜15円/kWh(約18〜29%)。
  • 系統用蓄電池の導入見通しは補助金と長期脱炭素電源オークションの案件で合わせて約510万kW、接続契約約4,100万kW、接続検討約2億1,100万kW。
  • 需給調整市場は2035年度時点で他の電源も含めると蓄電池577万kWで充足するとの見通し。一方で再エネ出力制御の規模に対し系統用蓄電池の接続量は限定的と整理。
  • 2026年4〜8月の太陽光出力制御コマにおける蓄電池の充電は、太陽光出力制御量の最大値に対し北海道711MW→210MW、東北3,217MW→72MW、東京6,243MW→200MW、関西2,989MW→300MW、九州5,818MW→194MWにとどまる。
  • 長期エネルギー貯蔵技術(LDES)は国内では導入補助金(2/3以内)と長期脱炭素電源オークションの対象だが研究開発への支援は限定的で、事務局は導入補助金以外に実証等への支援も検討すべきではないかと提起。
  • サイバーセキュリティ対策として、一般送配電事業者の系統連系に関するルール改定により2027年4月以降に新たに系統接続するPCSやEMS等のIP通信機能を有する機器にJC-STAR★1の取得が要件化される。
事業者への意味系統用蓄電池の事業性評価において、需給調整市場のΔkW収益を前提とした従来のビジネスモデルの持続性が制度側から問われる段階に入った。再エネのピーク調整・出力制御の抑制に資する運用をどう評価・支援するかが今後の制度設計の論点となり、2027年4月以降に新規系統接続する案件はJC-STAR★1適合機器の調達が前提となる。